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養育費

夫婦間の合意に基づく養育費の請求

公開日:2016.11.02

最終更新日:2021.09.28

この記事の目次

離婚後の夫婦間のトラブルで、
「当事者間で口約束をした上で、養育費を10万円支払ってもらっていたのに、先月から勝手に5万円に下げられた」
というような相談を受けることがよくあります。

金額を下げた側の理屈としては、「自分でよく調べたら、自分は相場よりも高い金額の養育費を支払わされていることが分かったので、相場どおり5万円の支払に変えたのだ」と。

このような場合に、皆さんはどのようにアプローチされますか?

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「調停」での、合意に基づく養育費請求

話し合いで解決すれば、それが一番望ましいのですが、話し合いが決裂した場合、多くの方が、家庭裁判所に対し、養育費の支払いを求める調停を申し立てます。

相談を受けた弁護士の多くも、「養育費の支払いを求める調停を申し立てましょう、決裂したら審判に移行し、審判で従前の養育費支払い実績を考慮して結論を出してくれる場合もありますよ。」という説明をしがちです。

養育費の支払いを求める調停を申し立てるという選択は、必ずしも間違いではないと思います。

しかしながら、調停が決裂した場合に、家事審判に移行させるべきかどうかは、申立側としては検討する必要があります。
なぜなら、審判においては、当事者間で従前合意した金額にとらわれずに、現在の権利者側(請求する側)、義務者側(支払う側)の収入状況、子供の年齢、扶養家族の状況等を踏まえて、いわゆる家庭裁判所における「算定表」を前提とした判断をされるおそれがあるからです。双方の収入を前提とした「算定表」の金額が5万円であるならば、過去の合意に基づき月額10万円の請求をしたとしても、月額5万円という審判しか出してくれない可能性が高いのです。

上記のような申立人側にとって不本意な審判が出そうな場合、審判の手続きはいったん保留にした上で、民事訴訟を検討した方がよさそうです。

「民事訴訟」での、合意に基づく養育費請求

当事者間において、従前10万円を支払ってもらうという約束をした、という証拠をかき集めた上で、地方裁判所に対し、合意(契約)に基づく養育費の支払い請求の「訴訟」を起こした方が、養育費の家事審判での判断を求めるよりも、合意(契約)に基づく支払いを認める可能性は高いでしょう。
合意の存在が認められれば、義務者側が合意を何らかの事情で取消しまたは解除できなければ、合意に基づく高額の養育費の支払いが認められるのです。

調停に続いて行われる家事審判の手続きにおいても、口約束が証拠上一見して明らかである場合には、合意の存在を前提とした高額の養育費を認めてくれる場合もあり得ますが、かなり例外的だと思われます。

さいごに

合意(契約)に基づく養育費請求は、契約の存否・内容という、民事訴訟の対象である事実関係に関する争いですので、本来的に家事審判で扱われるべきテーマではない、という点を正確に理解した上で、われわれ弁護士も、アドバイスや案件処理を、適切に行っていきたいものです。

当事務所は、養育費の請求・回収に関する事件を、数多く取り扱っております。
養育費の件でお悩みの方は、まずは、ご相談だけでもしてみませんか。当事務所の弁護士が、あなたに合った方法をお勧めいたします。

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