離婚弁護士のコラム
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離婚コラム

離婚協議書は公正証書にすべき?

[ Q ]

離婚協議書を公正証書にすべきですか?

[ A ]

離婚協議書は,必ずしも公正証書にする必要はありませんが,内容によっては公正証書により作成するべき場合があります

まず,「離婚協議書」とは,夫婦が離婚及び離婚に伴う諸条件につき協議し,合意した内容を記した書面です。離婚協議書では,離婚すること,未成年の子の親権者,慰謝料,財産分与,養育費,面会交流の条件,年金分割等について取決めることが多いです。

「公正証書」とは,公証人が公証人法に基づき作成する公文書です。
以下では,離婚協議書を公正証書で作成するメリットについて,解説いたします。

メリット1 執行力がある

公正証書には,私文書である離婚協議書その他契約書とは異なり,執行力があることが最大の特徴です。

執行力とは,「判決により確定した権利を国家権力が強制的に実現することができる」という効力です。具体的には,差押えをイメージいただくとよいかと思います。公正証書には,確定判決と同一の効力が認められるため,公正証書には執行力が付与されます。

公正証書であれば,すぐに強制執行できる

離婚協議書を公正証書で作成しなかったからといって,効力がないわけではありません。しかし,離婚協議書で定めた義務の履行がない場合,すぐに強制執行することはできず,裁判手続を経なければなりません。
離婚協議書を公正証書で作成すれば,裁判手続を経ずに強制執行に移ることができるため,権利者の権利実現が容易になります。

公正証書のこうした特徴から,離婚協議書の内容として,義務が果たされなかった場合に強制執行をする必要性がどれくらい高いかによって,公正証書によるべきか否かを決めることになるでしょう。

公正証書で作成した方がよいケース

例えば,養育費のように,将来にわたり長期間の給付を予定している権利を定める場合には,将来義務者が支払いを拒むリスクが否定できません。支払がなされなければ強制執行により実現する必要があるため,公正証書により作成すべきといえます。

公正証書で作成しなくてもよいケース

一方,離婚と親権者を取決めるだけであったり,金銭給付があるにしても離婚と同時に一括で支払うというものであれば,離婚協議書とともに離婚届にも署名押印をしたり,直ちに金銭給付をしてもらうことで足り,公正証書で作成する必要性は低いでしょう。

メリット2 証明力がある

離婚協議書を公正証書で作成する意義としては,執行力の他にも,証明力に違いがあるとされています。
私文書である離婚協議書であれば,勘違い(錯誤)や騙された(詐欺),脅された(強迫)を理由に取消し無効を主張されるリスクがあります。
一方,公正証書は公証人という公的立場の人物が当事者に内容を確認しながら作成するものですので,後に取消しや無効を主張されるリスクは低いといえます。

メリット3 約束の遵守につながりやすい

その他にも,公正証書は,夫婦間のみで取り決めた私文書である離婚協議書に比べ,公文書として取り決めたという重みが出ますので,離婚後の約束の遵守につながりやすいという効果もあります。

 

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