離婚に関するお金離婚時の退職金の分与と年金分割
Dispensed and pension division of retirement benefits

離婚の際には、退職金や年金分割についても問題が出てきます

特に、熟年離婚の場合には、この問題が争点となるケースが多い傾向があります。どのぐらいの年金や退職金が見込まれるかを算定し、かつ適正な分与の割合を決める必要があります。

年金について

離婚による年金分割とは、夫婦が離婚するにあたり、婚姻期間中に夫婦が納付した年金(厚生年金・厚生年金の報酬比例分・職域分)を分割する制度(正確には、婚姻期間中の年金記録を分割する制度)です。

ただし、別居期間が長い、有責配偶者(婚姻の破綻に関して主たる責任のある配偶者)からの離婚請求の場合など、場合によっては単純に2分の1にならないケースもあるので、ご相談下さい。

 

退職金について

すでに退職金が出ている場合や、離婚協議中に退職し退職金が発生した場合、財産分与の対象になります。

退職まで、まだ数年以上時間がある場合は、

  • 退職金が財産分与の対象になるのか?
  • なるとしたら、どうやってそれを算出するのか?

といった論点があり、専門的な知識が必要となるため、弁護士へのご相談をオススメいたします。

目安としては、退職が5年後ぐらいであれば分与の対象になり、10年ぐらい先だと分与の対象にならないケースが多いのが実情です。

よくある質問

Q.退職金は財産分与の対象になりますか?

A. 退職金は、賃金の後払い的な性格を有するため、原則として財産分与の対象となると考えられています。

くわしい解説

既払いの退職金については、婚姻後別居に至るまでの期間に対応する額を清算対象財産として理解し、分与することとなります。

一方で、将来受領する予定の退職金については、支給が確定している場合は清算対象財産として取り扱うことになりますが、支給が確定していない場合は、支給される蓋然性が高いことを条件に清算対象財産として取り扱うこととされています。

その上で、どのように分与額を算定するか、という点ですが、実務的には、「別居時に自己都合退職した場合に取得するであろう退職金額のうち、婚姻後別居に至るまでの期間に対応する額を清算対象財産として、離婚時に支払うものとする。」とするのが裁判実務における一般的な傾向となっています。

例えば、

  • 平成10年 勤務開始
  • 平成15年 結婚
  • 平成30年 別居

という時系列のもとで、

  • 平成30年の別居時点での退職金が800万円、
  • そのうち結婚前の平成10年~平成15年までの勤務により生じたと観念できる額が150万円である

とすれば、上記の考え方に従うと650万円が清算対象財産ということになります。

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