離婚コラム
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別居期間がどのくらい続くと離婚が認められますか?
公開日:2020.05.12
[ Q ]どのくらい別居期間が続くと離婚が認められるのでしょうか?
[ A ]
相手方が離婚に同意した場合は、別居期間の有無にかかわらず離婚は認められます。問題は、相手方が離婚に応じない場合(や離婚条件がまとまらない場合)です。
ケースバイケースですが、
① 配偶者に落ち度がある場合
② 両方ともに落ち度がないか、両方ともに同程度の落ち度がある場合
③ あなたの側に落ち度がある場合
とで、結論は変わってくるでしょう。
①配偶者に落ち度がある場合
まず、配偶者の側に、不貞行為や暴力などの明確な落ち度がある場合、別居していなくても、離婚は認められるでしょう。
②両方に落ち度がないか、両方に同程度の落ち度がある場合
次に、両方に落ち度がないか、または同程度の落ち度しかない場合は、夫婦の婚姻期間との関係で、それ相応の期間別居が続かない限りは、離婚が認められにくいと言えるでしょう。
例えば、同居期間が1年の夫婦であれば、例えば半年も別居すれば離婚が認められるかもしれませんが、同居期間が20年の夫婦であれば、1~2年の別居ではなかなか離婚は認められないでしょう。
③あなたの側に落ち度がある場合
最後に、あなたの側に、不貞や暴力などの明白な落ち度がある場合は、別居をし続けても、相手方が離婚したくないと言った場合、なかなか離婚は認められないでしょう。
この点、有責配偶者(離婚に至る落ち度のある配偶者)の離婚請求という有名な論点があります。そこでは、有責配偶者からの離婚請求は原則認められないとしつつも、(A) 同居期間との対比において別居期間が相当長期間にわたり、(B) 夫婦間に未成熟子がおらず、(C) 相手方配偶者が離婚により、精神的、社会的、経済的に極めて過酷な状態におかれる等の特段の事情がない場合には、離婚請求が認められる、とされています(最高裁昭和62年9月2日判決)。
例えば、結婚1年目であなたが不貞行為をしてしまい、そのまま別居して離婚したいとなった場合でも、あなたと配偶者との間に子供がいるような場合は、上記(B)や(C)の基準を満たさないので、2~3年程度の別居では離婚は難しいかもしれません。
他方で、結婚5年目の夫婦であなたが激しい暴力をふるって配偶者が出て行ってしまい、(B)未成熟子もおらず、(C)配偶者も経済的に自立していたり、あなたが適正な慰謝料を支払っていたりする場合は、(A)3~4年も別居して夫婦としての交流もほとんどないのであれば、離婚は認められやすいと言えるでしょう。
いずれにせよ、このような場合に離婚が認められるハードルは非常に高く、あなたの別居生活中の行動や離婚に向けた交渉態度によって、離婚が認められない場合も出てきますので、弁護士にご依頼いただき、アドバイスを仰ぎながら離婚を目指した方がよいでしょう。
※本記事は、公開日時点の法律や情報をもとに執筆しております。

【本記事の監修】
弁護士法人桑原法律事務所 弁護士 桑原貴洋(代表/福岡オフィス所長)
- 保有資格: 弁護士・MBA(経営学修士)・税理士・家族信託専門士
- 略歴: 1998年弁護士登録。福岡県弁護士会所属。
日本弁護士連合会 理事、九州弁護士会連合会 理事、佐賀県弁護士会 会長などを歴任。