離婚コラム
婚姻費用
養育費
婚姻費用・養育費の算定方法は?
公開日:2017.07.12
本日は、婚姻中の婚姻費用(いわゆる生活費)、離婚後の養育費の算定方法について、簡単に整理したいと思います。
いずれの場合も、その額は、夫・妻双方の収入に照らして、算定されることとなります。
そこには細かな計算式がありますが、手っ取り早くその額を確認したいという場合は、『簡易算定表』をご確認いただくのがよいかと思います。この簡易算定表は、調停の場でもよく活用されている印象です。
(なお、日弁連がこれとは異なる『簡易算定表』を発表していますが、残念ながら、未だ実務では定着していない印象です。)
ただ、あくまでも簡易算定表は、例えば、
- 婚姻費用: 別居している。子どもはどちらか一方が監護している。
- 養育費: 離婚後、子どもの親権はいずれか一方が獲得している。
といったオーソドックスな事例を念頭に置いたものですので、イレギュラーなケースとなるとうまく対応できません。
例えば、
- 2人の子どもがいる夫婦が離婚し、離婚後、子どもの親権は一人は父、一人は母となったようなケース、
- 養育費を請求する側にいわゆる連れ子がいるようなケース
といったような場合は、簡易算定表を用いて額を決めようとしても、どうしても限界があります。
そのような場合は、先に述べた細やかな計算式(例えば、標準算定方式といわれる計算式)を用いながら額を算出していくこととなります。
婚姻費用の計算式
標準算定方式に従えば、婚姻費用の場合は、
①「(義務者の基礎収入+権利者の基礎収入)×(権利者世帯の生活費指数)÷(世帯全体の生活費指数)」
①-権利者の基礎収入
という計算式を用います。
養育費の計算式
養育費の場合は、
①「権利者の基礎収入×子の生活費指数÷(義務者の生活費指数+子の生活費指数)」
①×義務者の基礎収入÷(義務者の基礎収入+権利者の基礎収入)
という計算式を用います。
なかなか難しいですよね。お困りの際は、遠慮なく、ご相談にいらしてください。
※本記事は、公開日時点の法律や情報をもとに執筆しております。
【本記事の監修】
弁護士法人桑原法律事務所 弁護士 桑原貴洋(代表/福岡オフィス所長)
- 保有資格: 弁護士・MBA(経営学修士)・税理士・家族信託専門士
- 略歴: 1998年弁護士登録。福岡県弁護士会所属。
日本弁護士連合会 理事、九州弁護士会連合会 理事、佐賀県弁護士会 会長などを歴任。