離婚コラム
離婚したくない
円満調停
円満調停(えんまんちょうてい)とは
公開日:2018.05.11
円満調停とは
円満調停とは、正確には夫婦関係調整調停(円満)といいます。
離婚の際に当事者同士の話し合いがまとまらない場合には、離婚を求め調停を申し立てるイメージはあると思います。一方で、例えば、「喧嘩をし、家を出て行った配偶者とよりを戻したいが話し合いができない」といった場合も想定されます。
このように夫婦関係を修復するための話し合いをする場として、円満調停というものがあります。
なお、離婚調停は、正確には夫婦関係調整調停(離婚)といいます。円満調停も離婚調停も夫婦関係をどうしていくべきかを話し合う場という意味では同じ扱いをされます。
円満調停の申立方法
相手方(配偶者)の住所地を管轄する家庭裁判所に対し、申立てをします。
例えば、相手方と別居していて、相手方が佐賀市内に住んでいる場合には、佐賀市内を管轄とする佐賀家庭裁判所に申し立てることになります。
申立書やその記入例は、各家庭裁判所で入手できるほか、裁判所HPからダウンロードすることも可能です。
申立手数料として、1,200円分の収入印紙と、切手(約1,000円程度)を納付します。
裁判所にもよりますが、申立ての1か月後くらいに、第1回目の調停が開かれます。その後も1か月に1度のペースで調停が開かれます。調停は平日の日中に行われます。
相手方の離婚意思が固い場合
円満調停は、あくまで悪化した夫婦関係を修復するための話し合いの場であることから、相手方の離婚意思が固い場合には、話し合いは決裂し、調停は不成立となります。
なお、離婚訴訟を提起する場合には、その前に調停を申立てる必要があります(調停前置主義、家事事件手続法第257条)。
ここにいう調停には円満調停も含まれますので、円満調停が不成立になった場合、相手方から離婚訴訟が提起される可能性があるので注意が必要です。
まとめ
円満調停を申立てるケースは多くはありませんが、調停委員を介することで、夫婦間でどこに問題があるのか、その問題が解決可能なのかを冷静に考えることができる場合もあると思いますので、利用を検討されてみてもよいと思います。
よりを戻したい場合に、「円満調停」が活用できると解説してきましたが、夫婦間の協力義務(民法752条)を根拠とした「協力調停」という選択肢についても、当事務所は積極的にサポートしております。
また、「離婚」という決定打を出される前に、険悪な状態を解消するための方法論の1つとして「卒婚」という選択肢について、ご提案する場合もございます。
卒婚に関する記事はこちら
・「卒婚」とは
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※本記事は、公開日時点の法律や情報をもとに執筆しております。

【本記事の監修】
弁護士法人桑原法律事務所 弁護士 桑原貴洋(代表/福岡オフィス所長)
- 保有資格: 弁護士・MBA(経営学修士)・税理士・家族信託専門士
- 略歴: 1998年弁護士登録。福岡県弁護士会所属。
日本弁護士連合会 理事、九州弁護士会連合会 理事、佐賀県弁護士会 会長などを歴任。