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住宅ローンが残っている場合、財産分与はどうなる?
公開日:2019.10.29 最終更新日:2021.12.17
財産分与は、離婚の際に、夫婦の財産を分与する手続です。
夫婦の一方が、結婚後に不動産を取得した場合、不動産も財産分与の対象となります。ただし、住宅ローンが残っている場合、財産分与をどのように行うべきか、慎重に検討する必要があります。
不動産の価値が住宅ローン残額を上回る場合
不動産の価値が住宅ローンの残額を上回っている場合、当該不動産には差額分の財産的価値があると考えられます。したがって、不動産を適正価額で売却し、その売却代金を分割することが考えられます。
また、いずれかが当該不動産に住み続ける場合は、住み続ける側が他方に対し、売却により本来は得られた財産を分与する義務があると考えられます。
不動産の価値が住宅ローン残額を下回る場合
一方、不動産の価値が住宅ローンの残額を下回っている場合はどうでしょうか。
この場合、住宅ローンの債務者となっている者が差額分の負債を負っていることになります。離婚したからといって、住宅ローンの債権者が債務者の変更等を容易に認めるわけではありません。したがって、離婚後も債務者としての地位に変更はありません。
財産分与自体は積極財産(資産)を分与する手続と理解するのが一般的ですが、この場合に夫婦の一方のみが離婚後も負う債務を一切考慮しないのは、妥当ではないでしょう。
したがって、分与すべき資産の算定において、住宅ローンという負債が考慮されるべきということになりますが、住宅ローン付不動産以外に資産がない場合には、果たして算定において考慮されるのか、またどのように考慮されるのかの判断は分かれています。
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※本記事は、公開日時点の法律や情報をもとに執筆しております。

【本記事の監修】
弁護士法人桑原法律事務所 弁護士 桑原貴洋(代表/福岡オフィス所長)
- 保有資格: 弁護士・MBA(経営学修士)・税理士・家族信託専門士
- 略歴: 1998年弁護士登録。福岡県弁護士会所属。
日本弁護士連合会 理事、九州弁護士会連合会 理事、佐賀県弁護士会 会長などを歴任。