離婚コラム
協力請求
協力請求の活用例③ ー夫婦喧嘩にも裁判をー
公開日:2020.12.04 最終更新日:2021.03.01
夫婦喧嘩を裁判で裁いてもらうことはできる?
夫婦喧嘩を裁いてもらうために、裁判をすることができるのでしょうか。
例えば、
- 子供を私立学校に行かせるべきか、公立学校に行かせるべきか、予算面・子供の希望・将来の進路・学校の校風など様々な点で夫婦の意見が合わず、喧嘩になってしまった
- 国内旅行に行くか海外旅行に行くかで夫婦で意見が対立し、喧嘩になってしまった
といったような場合です。
協力審判が活用できる可能性があります
このような夫婦喧嘩のきっかけとなった意見の対立について、協力審判の手続きの中で、どちらの言い分に理があるのか、正しいのか、裁判所で裁いてもらえる可能性があります。
夫または妻が「どちらが正しいか裁いてほしい」と申立をし、他方、配偶者も「裁判官に決めてもらいたい」と応答した場合、裁判官は協力審判の中で、「どちらが正しい、その理由は○○」、と審判を下す余地があるのです。
なお、どちらの言い分が正しいか夫婦相互の攻防が激しくなり、夫婦相互の信頼関係が徐々に失われていってしまうと、前提としての婚姻関係が破綻し、夫婦相互の協力義務自体が失われてしまうおそれもあります。そのため、普通の夫婦間の紛争での攻防とは異なるテクニックが求められるかもしれません。
さいごに
「夫婦喧嘩にも裁判を」というタイトルを付けましたが、これは日本の司法が世の中でもほとんど活用されず、我々弁護士も市民にとって身近な存在となっていないことを踏まえ、これを打破するために、当事務所が取り組み始めた活動の1つです。
先例がありませんので、果たして記事のとおりに裁判官が「審判」を書いてくれるのか保証はできませんが、当事者の方のニーズがあり、それを叶える可能性のある法的手続きがある以上、当事務所はその可能性にチャレンジしていきたいと考えています。
ご相談に来られた方で、こんなことを相談してもいいのか分からなかった、と仰る方がいます。トラブルが起きてからでないと弁護士には相談してはいけない、ということはありません。
トラブルが起きてから、ではなく、夫婦関係でお悩みの方は、ぜひ当事務所へお声かけください。
※本記事は、公開日時点の法律や情報をもとに執筆しております。
【本記事の監修】
弁護士法人桑原法律事務所 弁護士 桑原貴洋(代表/福岡オフィス所長)
- 保有資格: 弁護士・MBA(経営学修士)・税理士・家族信託専門士
- 略歴: 1998年弁護士登録。福岡県弁護士会所属。
日本弁護士連合会 理事、九州弁護士会連合会 理事、佐賀県弁護士会 会長などを歴任。