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夫婦間の協力義務、配偶者に対する協力請求の活用
公開日:2020.12.03
夫婦間の協力義務、配偶者に対する協力請求を、弁護士も知らない
夫婦間の同居義務と扶助義務は、我々弁護士の業界でもある程度認知されていますが、夫婦間の協力義務、あるいは配偶者に対する協力請求について、具体的に認識できている弁護士は少ないのが実情です。
これには、理由があります。
「同居審判」と「扶助審判」は判例がいくつかありますので、法律の基本書(教科書)を勉強すれば、多くの弁護士が接する機会があります。一方、「協力審判」については、少なくとも当事務所が探した限りにおいて1件も前例が見つからないため、法律の本でもあまり紹介されておらず、結果として弁護士も勉強しない(そのため知らない)というわけです。
そのため、多くの弁護士は、夫婦間の協力義務の法的意味について質問をされても、おそらく答えられません。あるいは多くの弁護士が、「離婚を請求するときくらいしか使い道のない条文です」とアドバイスする傾向があるように思います。
夫婦間の協力義務、配偶者に対する協力請求の活用例
それでは、夫婦間の協力義務、あるいは配偶者に対する協力請求は、無意味なのでしょうか?
そんなことはないと思います。
法律に現に条文が存在し、法律の教科書等でも裁判規範性を有する(つまり裁判所でその権利・義務の存否や内容を争える)と解説されている以上、何らかの活用の仕方があるはずです。
当事務所では、以下のような活用方法があると考えました。
それぞれの具体的活用法について、見てまいりましょう。
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※本記事は、公開日時点の法律や情報をもとに執筆しております。
【本記事の監修】
弁護士法人桑原法律事務所 弁護士 桑原貴洋(代表/福岡オフィス所長)
- 保有資格: 弁護士・MBA(経営学修士)・税理士・家族信託専門士
- 略歴: 1998年弁護士登録。福岡県弁護士会所属。
日本弁護士連合会 理事、九州弁護士会連合会 理事、佐賀県弁護士会 会長などを歴任。